今回は道尾秀介さんのミステリー小説『向日葵の咲かない夏』を紹介します。
向日葵というタイトルなだけあって夏に読むのがぴったりです。
読んでいる間は「なんか変」という違和感で頭がいっぱいでした。
所々出てくる違和感の正体に気づけるでしょうか。
私は何も気づけませんでした。
本記事は以下について書いています。
〇本書の構成・特徴
〇こんな人におすすめ
〇印象に残ったこと
〇まとめ
本書の構成・特徴
本書はミステリー小説です。
小学四年生の男の子「ミチオ」の一人称で物語は進みます。
夏休み前日の終業式の日にミチオはある事件に出くわします。
その後は
ミチオ、妹のミカ、殺されたはずのS君(?)の三人で
事件を解決すべく奔走するという流れになります。
「生まれ変わり」という非現実(ファンタジー)が関係する作品ですので
受け入れにくい人もいるかもしれません。本の内容をすんなりと受け入れられる人は
読み進められると思います。
こんな人におすすめ
本書は以下のような人におすすめです。
〇考察しながら小説を読みたい人
〇前提をひっくり返すような小説が好きな人
はじめにも書きましたが、全体を通して「なんか変」という感覚が付きまといます。
この「なんか変」を考察しながら読み進めるのも楽しいと思います。
考察好きな人はこの違和感に挑戦してもいいと思います。
上記の「なんか変」が解明されるにつれて「そういうこと!?」と言葉が出てしまいます。
登場人物の発言は正しいのか、ミチオには世界がどう見えているのか
そんなところからひっくり返されます。少しアンフェア気味ともいわれそうですが、
それでも全部ひっくり返されて驚かされたい人にはお勧めです。
印象に残ったこと
妹のミカ、3歳のわりに大人びてる
こんなことが印象に残るとは思いませんでした笑
私には3歳の娘がいますが、3歳は良くしゃべります。
それでも本書のミカはそれ以上にしゃべります。難しいことまで知っています。
大人びたミカは、物語の進行上仕方ないことなのか、何かの伏線なのか
ずっと考えながら本書を読んでいました。
結局「大人びたミカ」の真相は明確には語られていませんでした。
ただ、「作者の道尾秀介さんが3歳児をよく知らなかった」というオチではないと思います。
「なんでこんなに3歳児が大人びてるんだ」という疑問を
ずっと持ちながら物語を読むのは楽しかったです。
まとめ
今回は道尾秀介さんの『向日葵の咲かない夏』を紹介しました。
主人公のミチオがある事件に巻き込まれ、それを解決していく
よくある流れだと思いますが、「生まれ変わり」というファンタジー要素があります。
ファンタジー要素を受け入れたうえで、前提をひっくり返すような
展開が好きな人はぜひ読んでみてください!