「良いビジネスがあるんだ」
スーツでばっちり決めた人がこんなことを
カフェで言っているの聞いたことありますか?
それを聞いているのは不安げな大学生らしき人だったり。
「あー。胡散臭いこと話してるわ。」
と我関せず、といった人も多いでしょう。
「自分はそんな変なビジネス引っかからない」
自分は大丈夫と多くの人が思っているのではないでしょうか。
案外そうでもないかもしれません。
※ネットワークビジネス自体を否定するつもりはありません。
本記事は以下について書いています。
〇本書の構成・特徴
〇こんな人におすすめ
〇印象に残ったこと
〇まとめ
本書の構成・特徴
主人公の鹿水真瑠子はバイト先で出会った丹川谷に勧められて
ネットワークビジネスであるHTFを始めます。
会員を増やすこと、売り上げを伸ばすことに苦戦しながら
なんとか「最年少でのゴールド会員」という称号を得ます。
七桁の収入を手にするという夢のような生活の一方で
実際は、自身で商品を購入するなどをして借金生活をしていました。
それでもHTFというビジネスを大きくさせたいと
必死で活動をする真瑠子。
しかし徐々に雲行きが怪しくなってきて。。。
こんな人におすすめ
本書は以下のような人におすすめです。
〇ネットワークビジネスで一攫千金を目指している人
〇自分は騙されないと思っている人
最近はSNSなどで、「こんなに稼いでいるの!?」と驚くような収入を
見せびらかしている人もいますよね。
それを見て「なんかヤバいビジネスしてるんじゃないの?」と疑う反面
「いいなあ。自分もそれくらい稼ぎたいな。」
と思うかもしれません。
SNS上にいる、「たくさん稼いでいる人」は
ネットワークビジネスをしている可能性が高いです。
実際ネットワークビジネス自体は違法ではないです。
だから、「ネットワークビジネスで自分も稼ぐぞ!」と意気込む人は
いったんこの本を読んでみることをおすすめします。
絶対に本書の内容の通りになるとは言いませんが
こんな結果になる人もいるということを頭に入れたほうがいいです。
また、「自分は騙されない」と思い込んでいる人も読んだほうがいいです。
実際にビジネスに勧誘される真瑠子の心理描写を見ていると
自分は絶対に騙されないと言い切るのが難しい気がしてきます。
現状の自分が、とりあえず生活できるほどに稼いでいるから
騙されないと言い切れるんだと思います。
すこし賭けに出て、失敗して借金をしてしまい、家族に相談できず
どうにか挽回しようと更に賭けに出て、それが失敗して、、、
そんな状態だったらあなたは冷静に判断できますか。
印象に残ったこと
全ては「認められたい」から
主人公の真瑠子がネットワークビジネスを続けるのは
「ネットワークビジネスを通して周りの人に認められたから」でした。
真瑠子は姉と妹がいる三姉妹です。
昔から姉と妹は親から褒められていたのに、真瑠子はできない子で
あまり褒められてこなかったようです。
そこから生まれた自己肯定感の低さ、姉妹への嫉妬、小さな嘘をつく癖
これらがネットワークビジネスに入り込む要因となっていました。
ネットワークビジネスをする人は自己肯定感が低い傾向にあると言います。
私には二人の娘がいますが、
自己肯定感をある程度は持った子に育てられているかなと少し心配になりました。
ナルシストまでになる必要はありませんが、「私は必要とされている」
「私はそのままでいいんだ」と思えるように育てること
娘たちが破滅の道を進まないようにするためにとても大事だと思いました。
まとめ
今回は『マルチの子』を紹介しました。
たまに見かけるビジネスの勧誘。
成人したタイミングで、中学の同級生あたりから声をかけられませんでしたか。
「自分はいいよ」「やらないよ」と返答したかもしれません。
おかしなビジネスは見抜けると思うかもしれません。
それでも入り込む人はいます。うまくいかずに借金を繰り返す人もいます。
人がどのようなプロセスで危ないビジネスに手を染めるのか
本書を通して分かった気がします。
本書はkindle unlimitedで無料で読めます。(2025/5/15時点)
ぜひ読んでみてください。