比例が分からなくなる本当の理由【数学科が解説】

中学数学

中学以降で本格的に登場する比例という単元
\({y}={ax}\)という関数それに合わせたグラフという考え方

ここに難しさを感じているお子さんはいませんか。

これまでは式というものは立てすもの、そしてそれは解くもの。
そんな考え方が基本でした。しかし比例で登場する関数という考え方。

x軸という数の世界とy軸という別の数の世界の関係を
一本の式で表して、それでいてその関係はグラフという図形で理解する。
今までと全然違う考え方に戸惑ってしまうのも無理はないです。

今回は関数という世界の第一歩である比例を理解するためのポイントを解説していきます。


当ブログでは
・うちの子算数苦手かも、、と悩む保護者の方
・自分も算数が苦手だったから、、と悩む保護者の方

そんな方向けに数学科卒の私
「算数=苦手」を解消するために保護者ができること
を紹介しています。


本記事は以下について書いています。

比例は”見えない関係”をイメージすること

これまでの算数では一つの事象に対して数の関係を考えていました。
・リンゴ1個200円を3個買ったらいくら?
・1000円の2割引はいくら?
・8個のボールを4人で分けたら一人いくつ?

これらはひとつの場面として想像することができ、順を追って式を立てることで
正解にたどり着くことができます。

一方で比例というものは複数の場面から二つの数の関係を見出すということをしています。
例えばリンゴの価格について以下の関係性があったとします。
・3個で900円
・12個で3600円
・10個で3000円

このときどうやら1個300円で売られてそうな気がしますよね
リンゴの個数をxとおいてその合計金額をyとしたとき
xとyの間には\({y}={300}{x}\) という関係が成立します。これが比例の考え方です。

これまでの算数では
関係性が決まっている二つの数➡特定の場面での数を答える
だったのが、比例などの関数では
複数の場面での数の関係➡二つの数の関係性を答える

という風に考えるもの自体が変わっています。比例ではxとyの関係式が分かれば
どんな数字を入れてもその場面での数が分かります。

目に見えないくらい大きな数を考えてもその関係性をイメージできる
これが比例などの関数の世界がやろうとしていること
です。

〇比例はこれまでの算数と考える順番が変わっている
〇大きすぎる数や小さすぎる数の関係性をイメージするために比例(関数)はある

比例で混乱するのは複数の事象を並べられないから

比例を考えるうえで初めはこんな問題から始まります。
・3個で900円
・12個で3600円
・10個で3000円

では5個だといくらか?20個だといくらか?などと考えさせます。最終的にはx個だったら?
という問いにたどり着きます。この時必要なのは「個数と円の関係」を見ることです。

個と円に関する複数の事象を並べて、その事象から関係性に気づき
\({y}={300x}\) という比例の式の形に一般化する
必要があります。

「〇〇個でいくら」というものは小学生のころからやってきているので
比例という考え方をしなくても個数と円に関係性があることはわかっています。
さらに1個でいくらかなんてのは「3個で900円」という条件からすぐに導けます。
生活でよく見るような例の場合は複数の事象を並べなくても考えられてしまいます


しかしこれが負の数が話に出てくるとどうでしょうか。
・4時間前は-4℃
・2時間前は-2℃
・現在は4℃

という時間と気温の関係を考えた時、その関係性をつかむのが
難しいと感じるお子さんも少なくないです。

負の数が出てくると難しくなるのは、複数の事象を並べて考えることができていないからです。
時間と気温に関する事象を並べて時間がどれくらい変化したら気温がどれくらい変化するか
ここを考えることができないと比例の関係に気づくことは難しいです。

〇複数の事象を並べないで考えてしまうのは危険
〇実生活を例にした比例だけでは直感的な理解にとどまってしまうかも

比例をつかむことができた子がやっていること

比例では複数の事象を並べて考える必要があります。
比例を理解できた子は文字通り複数の事象を並べて考えています。

・xが1.2の時、yは-3
・xが2.2の時、yは-5.5

ただ単純に「xが2.2の時、yは-5.5」という条件だけを眺めていても
なかなかxとyの関係は見えてこないかもしれません。正負や小数が出てくると難しいと思います。

しかしこれらの複数の事象を並べてみるとどうでしょうか。
xが1.2から2.2へと1増えた時に、yは-3から-5.5へと-2.5減っていることに気づける
でしょう。
ここから \({y}={-2.5x}\) という比例の式が見えてきます。

比例の導入部分ではイメージしやすい例を挙げるので「個数と円」といった関係性は
複数の事象を並べなくてもその関係性を見つけることができてしまいます。
このような例題を直感的に理解したまま進んでしまうとつまずいてしまいます。

比例をつかむことができたお子さんは比例の本質を理解しています。
・まずは複数の事象を並べて考えること
・さらにその上で、片方の数(x)の変化量と、もう一方の数(y)の変化量の関係性を考えること

これらができています。

比例以降の関数という単元ではこのようにxの変化量に対するyの変化量
という見方が必要になります。ここをいち早くつかむことで比例やその先の関数を
うまく理解することができます。

〇複数の事象を並べて考えられる?
〇片方の数を変化させたときのもう一方の数の変化量を考えられる?

家庭での伝え方

比例をうまくつかめていないお子さんは「xが1増えた時にyがいくつ増えているのか?」
について考えるということに気づけていないです。比例やその先の関数などでも
このような目線でxやyを見ることができないとその単元を理解するのは難しいです。

まずは「xが1のときyがいくつなのか?」これを一緒に考えるようにしましょう。
・3本で300円なら1本のときいくら?
・20個で40000円なら1個いくら?

このような問いかけから1つの時の値段や量を考えてみましょう。

正の数の間は簡単かもしれませんが、負の数が出てくると少し難しくなります。
それでも「xが1の時はyはどうなるか?」この視点で問題を考える
ことで
複数の事象を並べて考えることが次第にできてきます。

そしてxが1のときのyの値というものはxが1増えた時のyの変化量に等しいです。
(切片がある場合や比例でない関数ではそうではありません。)
xがこれだけ増えたらyはどれくらいなのか?この視点に切り替わってくると
お子さんは比例や関数を理解できてくるでしょう。

〇xが1のときyがいくつか?という視点で考えさせる
〇xの変化量に対するyの変化量は?という考え方ができてくるとOK

まとめ

今回は「比例が分からなくなる理由」について解説しました。
実生活で目にするような例だと比例が難しいと感じることは少ないかもしれません。

しかし負の数や小数になった途端、比例が分からなくなる場合は注意が必要です。
複数の事象を並べて、片方の変化量ともう片方の変化量の関係を見ることが
苦手なのかもしれません。

比例や関数を理解するにはxの変化量に対するyの変化量を考えることが重要です。
・xが1のときyはいくつか?
まずはこの視点で問題を取り組むようにしましょう。
お子さんがxとyの関係性にきづけるようになってきたら苦手は克服できると思います。


当ブログでは算数が苦手だったのになぜだか大学の数学科専攻になった私
お子さんが算数や数学でつまずかないためのヒントを紹介しています。
「どう教えたらいいか分からない」そんな保護者の方の助けになればと思います。
ぜひ他の記事も参考にしてください!

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