0で割ってはいけないのは何故か?お子さんにも分かりやすく説明します【数学科が解説】

中学数学

数学の世界でやってはいけないことの一つとして
「0で割る」という行為があげられます


日常で数学を使わない人たちからすると
・0を割ったらいけないんだっけ?
・0をかけたらいけないんだっけ?

というくらい曖昧なものかもしれません。

「なんで0で割ったらいけないの?」とお子さんに聞かれたらうまく答えられますか?

今回は「なぜ0で割ってはいけないのか?」について
お子さんでもわかるような説明をしていきたいと思います。


当ブログでは
・うちの子算数苦手かも、、と悩む保護者の方
・自分も算数が苦手だったから、、と悩む保護者の方

そんな方向けに数学科卒の私
「算数=苦手」を解消するために保護者ができること
を紹介しています。


本記事は以下について書いています。

分母を小さくしていくとどうなる?(小学生向け)

分数を理解した小学生のお子さんには分数を使って説明すると良いと思います。

・ \(\frac{1}{3}\) と \(\frac{1}{2}\) どっちが大きい?
・ \(\frac{1}{2}\) と \(\frac{1}{0.5}\) どっちが大きい?


こんな問いかけをして数がどうなっていくかお子さんと一緒に考えてみましょう。
\(\frac{1}{0.5}\) など分母が1未満のものを考えるのは難しいです。
次のように順番に考えると理解しやすいかもしれません。

・ \(\frac{1}{0.5} = \frac{1}{\frac{1}{2}}\) として分母も分数にします。
・ 数に1をかけても変わらないので\({1} = \frac{2}{2}\) を掛けます。
  \(\frac{1}{\frac{1}{2}} × \frac{2}{2} = \frac{2}{1}\)
これで\(\frac{1}{0.5} = {2}\)ということが分かります。

どんどん分母を小さくしていくと数はどんどん大きくなります。
1を0で割った数はどうやらとんでもなく大きな値になりそうだということがつかめると良いです。


どんなに分母を0に近い数にしていっても数自体は増え続けて
\({1}÷{0}\) の答えは求められないという説明
でなんとなく理解してもらえるのではないでしょうか。

〇分数で説明する
〇分母が小さくなっていくとどうなるか?をイメージする

反比例のグラフを見てみる。(中学生向け)

反比例のグラフを勉強した中学生にはもう少しステップアップした説明ができます。
\({y} = \frac{1}{x}\) という反比例のグラフを考えてみます。

\({y} = \frac{1}{x}\) という関数は x=0では定義されていません。
しかし、ここでxを0に近づけていくことを考えてみましょう。このとき
①2→1→0.5→0.1、、、というように正のほうから近づけていく
②-2→-1→-0.5→-0.1、、、というように負のほうから近づけていく

この二つで考えてみるとどうでしょうか。

①の場合はとてつもなく大きな正の数になりそうです。
一方で②のほうはとてつもなく大きな(絶対値的な意味で)負の数になりそうです。
つまり、\(\frac{1}{x}\)を考えようとしたときに答えになりそうな値がないと感じられるでしょう。

実は数学の世界でもざっくり「0で割った場合、答えになりそうな値がない」という考え方のもと
「0で割ってはいけない」ということにしています。この説明でも感覚的には間違っていません。

〇反比例のグラフで負の数からもアプローチしてみる
〇0で割ったときの答えがなさそうという感覚が大事

0で割ったときにおこること

数学の世界では結構有名な式ですが以下を考えてみましょう。

\({a} = {b}\)
\({a^2} = {ab}\)
\({a^2}-{b^2} = {ab}-{b^2}\)
\({(a+b)}{(a-b)} = {b}{(a-b)}\)
\({(a+b)} = {b}\)
\({2b} = {b}\)
\({2} = {1}\)

①まず、この式を考えます。
②両辺にaを掛けます。
③両辺に \(-{b^2}\) を足します。
④左辺は積の形に、右辺はbでくくります。
⑤両辺 \({(a-b)}\) で割ります。
⑥\({a}={b}\)なので左辺は\({2b}\)
⑦両辺\({b}\)で割る

さて、どうでしょうか。\({2} = {1}\) という式が得られました
これはもちろん間違っています。では何がおかしかったのでしょうか。

⑤の操作が間違っています。①から考えると\({a}-{b}={0}\) です。
つまり⑤で「0で割ってしまっています。」


0で割ってしまった結果、正しくない式が出来上がってしまいました。
0で割ってはいけないことが実感できる良い例です。

数学的に見る「0で割ってはいけない理由」

数学の世界では「0で割ってはいけない理由」をどのように考えているでしょうか。
これは「数学のルールを破綻させるから0では割ってはいけない」と考えています。

先ほどの例を見て分かると思いますが、\({2} = {1}\) なはずないのに
0で割ることを許した結果、正しくない式が成立してしまいました。

実は0で割ることを許すと、あり得ない式が何でも成立してしまいます
数学の世界で正しいとされてきたルールがすべて崩されてしまいます。

数学のという世界は実社会や自然科学の原理を数字や記号を使って理解しようとしています。
ルール無用で何でもやっていいわけでは無いのでルールが崩されるようなことは許してはいけません。

大学数学の初級者で学ぶ「集合と論理」という分野があります。
ここでは数学の世界で論理を展開するときの基本的な考え方を学びます。
この分野で「仮定が正しくない場合は、どんな結論でも成立する」こと
そして「結論が正しくないときは仮定が間違っている。」
ということを学びます。

「\({100} = {1}\)」と仮定した場合どうでしょうか。
\({10000} = {100}×{100}\) なので \({10000} = {1}\) が正しいことになります。
一方で \({10} = {1} × {10}\) なので \({10} = {100} × {10} = {1000}\) も正しいです。

これではめちゃくちゃですよね。仮定が間違っているからこんなことが起きます。
「0で割ることが正しい」についてもそうです。厳密には
「0で割った場合の値が存在する」と仮定することで何でも成立してしまいます

〇0で割ることを許すと何でも成立してしまう
〇仮定が正しくないとどんな結論でも成立してしまう

まとめ

今回は「0で割ってはいけない理由」について解説しました。
ダメと言われたからダメとしてしまうとお子さんの考える芽を摘み取ってしまいます。

数学的に正しく、そして小学生や中学生でも納得しやすいような
「0で割ってはいけない理由」の説明を考えてみました


小学生のうちから正しく理解できなくてもよいと思います。
「なんでなのかな?」「どうなるのかな?」という疑問を持ち続けた人は
理数系の科目に強くなります。
お子さんと一緒に悩んでみましょう。

当ブログでは算数が苦手だったのになぜだか大学の数学科専攻になった私
お子さんが算数や数学でつまずかないためのヒントを紹介しています。
「どう教えたらいいか分からない」そんな保護者の方の助けになればと思います。
ぜひ他の記事も参考にしてください!

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