あをによし とは「奈良の都の美しさをイメージした枕詞」です。
めんどくさい先輩から「センスで」とかいう意味不明な言葉で
お使いを頼まれたらどうしますか?
私なら「お前マジそういうとこだぞ」
と言ってやりたい気持ちを抑えつつ「え~まじっすか~!?」
とか言ってそうです。
適当な説明で頼まれるのは厄介ですよね。
そんでもって相手が鹿だったら。
ですが罰が当たるかもしれません。どうやら鹿は「神の使い」なのだそうです。
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本記事は以下について書いています。
〇本書の構成・特徴
〇こんな人におすすめ
〇印象に残ったこと
〇まとめ
本書の構成・特徴
ひょんなことから奈良の女子高の教師を二学期だけ担当することになった主人公。
奈良の生活に慣れ始めた頃に鹿に話しかけられます。
「先生は運び番に選ばれた」
急にそんなことを言われて、とあるものを受け取ってきて欲しいと頼まれます。
手掛かりは「”サンカク”と呼ばれていること」「女性から渡されること」だけ。
顔面を徐々に鹿にされるという脅しを受けながら
サンカクを手に入れるために奔走する主人公。
無事手に入れたと思ったら。。。といった内容です。
全部読んでから気づいたのですが、主人公に名前がありません。
「先生」と呼ばれていたので気づきませんでした。
こんな人におすすめ
本書は以下のような人におすすめです。
〇奈良県民の人
〇歴史に興味がある人
〇ストレートにハッピーエンドが読みたい人
本書の舞台は「奈良県」です。
街中の描写も奈良県民ならもしかしたら
「あああのへんか」と想像しやすいかもしれません。
また、大阪や京都も物語の中で出てきますが
あくまで舞台は奈良。奈良がやたらと持ち上げられます。
奈良県民なら気持ちいい思いをするかもしれません。
そして奈良といえば都。本書は歴史にも関係しています。
どうやら鹿が欲しがっている“サンカク”は古来からとある儀式に使われてきた重要な神宝。
歴史に興味がある人なら物語の設定にワクワクするかもしれません。
そして本書は辛い展開や犯人を捜すような展開はありません。
バットエンドの物語や犯人探しに苦労する物語ばかり読んで
疲弊している人におすすめかもしれません。
たまにはほっこり「あーよかった」なんていう物語もよいと思います。
奈良の厳かで美しい情景の描写を味わうのもよいです。
印象に残ったこと
何がきっかけで郷里をしのぶのか
本筋と全然関係ない箇所です。
都は初め奈良にありました。平城京です。
しかしそれは京都に移り平安京となります。
遷都してから昔の都を懐かしむ和歌がたくさん詠まれたそうです。
主人公は同僚に連れられて大きな古墳を見に行くことになります。
もはや丘ともいえるその場所から見える
夕焼けは神々しさがありました。
この夕焼けを見れなくなったことを悲しんで
昔の都を偲んだ歌がたくさん詠まれたのではないか
そんな考察がされていました。本当に本筋と関係ないです。
私は地元を離れて9年たちました。
今住んでいる地域で橋を渡りながら川を眺めるとなぜか地元を思い出してました。
私の地元は大きな川があり、部活終わりの夕方に
橋を渡ると地域一帯が見渡せます。海も見えました。
なんてことはない景色なのですが自分にとって好きな景色でした。
「川から見える景色が貧相だから
好きだった景色が見れないから地元を思い出すのか」
なんとなく納得がいった描写でした。
まとめ
今回は『鹿男あをによし』を紹介しました。
ドラマ化もされていた作品です。昔なんとなく見ていた記憶があります。
奈良の美しい景色を想像しながら読んでみてください。修学旅行を思い出すかもしれません。
物語の進行も分かりやすくテンポもよいのですらすらと読めます。
本書はkindle unlimitedで無料で読めます。(2025/4/5時点)
ぜひ読んでみてください。