平方完成でもう迷わない!いつでも使えるこの手順【数学科が解説】

数学の小話

二次関数 \({y} = {a}{x^2} + {b}{x} + {c}\) に関して使われる平方完成という操作
グラフの形を求めるのに使えるのはもちろん、実は応用問題にも使えるテクニックです。

この平方完成、式変形がめんどくさく意外と時間がかかってしまいます
しかも単純な計算を何度か行わなくてはいけないのでミスをする可能性も高くなります

しかしこの平方完成は問題を解くうえで避けては通れない初歩的な式変形です。
かといって理論をしっかり理解しないといけないような重要なものでもありません。
テストで平方完成ごときに時間をとられるのはもったいないです。

そこで今回は「平方完成を一発で行える手順」を解説します。
難しいことは考えず、この手順を覚えるだけで平方完成が簡単にできます。


当ブログでは
・うちの子算数苦手かも、、と悩む保護者の方
・自分も算数が苦手だったから、、と悩む保護者の方

そんな方向けに数学科卒の私
「算数=苦手」を解消するために保護者ができること
を紹介しています。


本記事は以下について書いています。

なぜ平方完成を行うのか

そもそも平方完成とはなんでしょうか。これは二次関数\({y} = {a}{x^2} + {b}{x} + {c}\) に対して行われる操作です。
\({y} = {a}{x^2} + {b}{x} + {c}\)この形の関数を式変形により\({y} = {a(x-p)^2} +{q}\)の形にすることです。

なんでこんなことをするのでしょうか。これは主にグラフの形を求めるためです。
二次関数のグラフの形として必要なのは以下のような情報です。
①上に凸か、下に凸か
②頂点の座標
③\({y}\) 軸との接点

これらの情報が分かれば、グラフの大体の形を座標平面上に書くことができます。

これらの情報は\({y} = {a}{x^2} + {b}{x} + {c} = {a(x-p)^2} +{q}\) この式から次のようにして求めることができます。
①\({a}\) が正なら下に凸、負なら上に凸
②点 \({(p,q)}\) がグラフの頂点の座標
③ \({y} = {c}\) が\({y}\)軸との接点


平方完成は特に②のグラフの頂点を調べるために必要になります。
また\({y} = {a(x-p)^2} +{q}\) この形に対して、\({(x-p)}\) を\({x}\)と見ることでシンプルな関数に見えてきます。

〇平方完成はグラフの概形を求めるために必要
〇グラフの頂点は平方完成をしないと求められない

平方完成を一発で行う手順

平方完成を一発で行う手順は以下のとおりです。

\({y} = {a}{x^2} + {b}{x} + {c}\)
\({y} = {a}{(x+〇)^2} + {△}\)
\({y} = {a}{(x+\frac{b}{a×2})^2} + {△}\)
\({y} = {a}{(x+\frac{b}{a×2})^2} + {c} – {a}×{(\frac{b}{a×2})^2} \)

例としてこの関数を変形していきます。
①\({x^2}\) の手前の\({a}\)を取り出して\({a}{(x+〇)^2}\)の形に
②〇の部分は\({b}\)を\({a×2}\)で割った数
③△は\({c}\)から、「\(\frac{b}{a×2}\)を二乗して\({a}\)を掛けたもの」を引く

手順を説明するために3行に分かれてしまいましたが、
実際に計算するときはそこまで手間にはなりません。実際の二次関数で試してみましょう。

\({y} = {3}{x^2} – {12}{x} + {6}\)
\({y} = {3}{(x + (\frac{-12}{3×2}))^2} + △\)
\({y} = {3}{(x + {(-2)})^2} + △\)
\({y} = {3}{(x + {(-2)})^2} + {6} – {3}×{(-2)^2}\)
\({y} = {3}{(x + {(-2)})^2} – {6}\)

左の関数を平方完成します。
①\({3}\)を取り出して()の中は\(\frac{-12}{3×2}\)
②\(\frac{-12}{3×2}\)を整理して\({-2}\)
③△として\({6}- {3}×{(-2)^2}\)
④\({6} – {3}×{(-2)^2}\)を整理して\({-6}\)

説明しながら計算を書いてみると難しく見えるかもしれません。
手順を覚えるつもりでいくつか問題を解いてみてください!案外簡単です。

〇平方完成は一発で簡単
〇実際に問題を解きながら手順を身に着ける

符号の間違いには注意!

平方完成の手順として注意すべきは符号の間違いです。
ポイントは()の後ろの\({c}\)の後ろはマイナスです。他は係数の正負に合わせてください

\({y} = {a}{x^2} + {b}{x} + {c}\)
\({y} = {a}{(x+\frac{b}{a×2})^2} + {c}\) \({a}×{(\frac{b}{a×2})^2}\)

①\({c}\)の後ろは引き算です。
②他の部分は\({a}\)、\({b}\)、\({c}\)の正負を正しく計算します。

各係数がマイナスの場合を見ていきましょう。まず\({a}\)が負の数の時についてです。

\({y} = {-4}{x^2} + {8}{x} + {10}\)
\({y} ={-4}({(x+\frac{8}{-4×2})^2} + {10} – {(-4)}×{(\frac{8}{-2×2})^2}\)


①()の手前はマイナスです。(\({a}\)が\({-4}\)なので)
②()の中もマイナスになります。(\({a}\)が\({-4}\)なので)
③()の外について、この場合はプラスです。(\({a}\)が\({-4}\)なので)

ではまた別のパターンです。\({b}\)が負の数の時についてです。

\({y} = {4}{x^2} – {8}{x} + {10}\)
\({y} = {4}{(x+\frac{-8}{4×2})^2} + {10} – {4}×{(\frac{-8}{-2×2})^2}\)


①()の中はマイナスです。(\({b}\)が\({-8}\)なので)
②()の外もマイナスです。(\({b}\)は\({-8}\)ですが二乗なので意味なし)

また別のパターンです。\({a}\)も\({b}\)が負の数の時についてです。

\({y} = {-4}{x^2} – {8}{x} + {10}\)
\({y} = {-4}{(x+\frac{-8}{-4×2})^2} + {10} – {(-4)}×{(\frac{-8}{-2×2})^2}\)


①()の手前はマイナスです。(\({a}\)が\({-4}\)なので)
②()の中はプラスです。(\({a}\)が\({-4}\)で\({b}\)が\({-8}\)なので)
③()の外はプラスです。

〇()の外はマイナスの符号をつける
〇ほかの項は各係数に合わせる

まとめ

今回は「平方完成を一発で行う方法」について解説しました。
高校数学の初めに登場する二次関数。初めでつまづいてしまうとずっと苦労してしまいます。

平方完成は二次関数の概形をつかむためにとても重要な式変形です。
平方完成そのものについて深く考える必要はないですがすらすらとできないとその先が大変です。

数学とうまく付き合うには、頭を使う必要のない式変形は手順を覚えて
作業として何も考えずに式変形を進める必要があります。


九九だっていちいち計算が合っているか考えませんよね。
「しちしちしじゅうく」という言葉で覚えたから\({7}×{7} = {49}\)について毎回考えてないと思います。

数学には「手順を覚えて道具として使う」公式や式変形がいくつかあります。
これらを道具として使いこなせるコツを今後も紹介していきます。


当ブログでは算数が苦手だったのになぜだか大学の数学科専攻になった私
お子さんが算数や数学でつまずかないためのヒントを紹介しています。
「どう教えたらいいか分からない」そんな保護者の方の助けになればと思います。
ぜひ他の記事も参考にしてください!

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