「次元」とは何か?大事な視点は「自分以上の次元は見えない」ということ【数学科が解説】

数学の小話

「次元」という言葉は聞いたことがあると思います。
・二次元平面
・三次元マスク
・四次元ポケット
「次元」を使った言葉はいろいろあります。ですが「次元」の意味って分かりますか?
なんとなく意味は分かるけどちゃんと説明するのは難しいと思います。

小学生の算数では「次元」という言葉を詳しく学ぶことは無いですが
「次元」自体は扱っています。

「次元って何?」お子さんにそう聞かれたときにうまく答えられるように
数学科目線で「次元」について解説していきます。


当ブログでは
・うちの子算数苦手かも、、と悩む保護者の方
・自分も算数が苦手だったから、、と悩む保護者の方

そんな方向けに数学科卒の私
「算数=苦手」を解消するために保護者ができること
を紹介しています。


本記事は以下について書いています。

「次元」とは何か?

「次元」とは?と聞くと
・1次元は直線
・2次元は平面
・3次元は空間

なんて答えが返ってくるかもしれません。これはもちろん正しいです。
しかしこれだけ言われてもいまいちピンとこないと思います。

大事な感覚は独立して動かせる要素がいくつあるかです。
・1次元は独立して動かせる要素が一つ
・2次元は独立して動かせる要素が二つ
・3次元は独立して動かせる要素が三つ
ということになります。「独立して動かす」というのは
「別々のつまみ」があってそれぞれを独立して調節するイメージ
です。
もう少し具体的に見ていきましょう。

1次元の場合

1次元は独立して動かせる要素は一つです。xというつまみがあって自由にxの数値を動かせる状態です。
xの数値を-3、-2.9、-2.8、、、4、4.1、4.2、、、という感じで動かしていくことを考えると
直線上をxが動いているとみなせると思います。これが「1次元は直線」の意味です。

直線上をxが自由に動くと考えると「無限に伸びる直線」=「1次元」とイメージできます。
ただあくまで「xという自由に動く数値」を視覚的に分かりやすい「無限に伸びる直線」に
置き換えているので「直線そのものが1次元」という意味ではないことに注意してください。

2次元の場合

1次元は自由に動かせる数値が一種類だったのでいまいち分かりにくかったかもしれません。
では次に2次元の場合です。2次元は自由に動かせる数値x、yが二種類ある状態です。
xの数値を-3、-2.9、-2.8、、、4、4.1、4.2、、、と動かしていくのとは別に
yの数値を4、4,1、4.2、、、、10、10.1、10.2、、、と動かしていくことを考えます。

このときxとyは無関係に動く数値であるということが大事です。
xがどのように動いてもyには関係なくyがどのように動いてもxに関係ないという状態です。

この状態を図で表すのであれば平面で考えるのが分かりやすいです。
平面の横軸をxの値とし、縦軸をyの値と考えます。この意味で「2次元は平面」と言われています。

x、yをそれぞれの軸上で自由に動かし、xとyの数値を満たす点を取ってみると
平面上のどのような点でも表せます。
「無限に広がる平面」=「2次元」
とイメージできます。

これもあくまでx、yという自由に動く二つの数値を視覚的に分かりやすい「無限に広がる平面」に
置き換えているだけなので「無限に伸びる平面そのものが2次元」ということではありません。

3次元の場合

3次元は自由に動かせる数値が三種類ある状態です。先ほどの2次元にさらにつまみを追加します。
つまり平面に加えてzという数値を動かすことを考えなければなりません。

この状態を図で考えるであれば空間で考えるのが分かりやすいです。
縦、横を表していた平面に”高さ”という要素を追加して空間を考えます。

見づらいかもしれませんが、先ほどの2次元の平面上の点が空中に浮いているようなイメージです。
x、y、zの三種類の数値を自由に動かすと平面だけでなく高さも加えた空間上のすべての点を表せます
これで「無限に広がる空間」=「3次元」というイメージができるのではないでしょうか。

これも1次元、2次元と同じでx、y、zの三種類の自由に動く数値を空間に置き換えているだけです。

自分以上の次元は見ることができない

「次元」を考えるうえで大事な感覚は「自分以上の次元は見ることができない」という感覚です。

2次元上の点の気持ちになってみましょう。この点は「3次元」を見ることができません。
見ることができないというか認知できない、知ることができません。
平面上を動くことができても「高さ」というものを知らないので
「高さ」だけが違う二点の違いが分かりません。

1次元上の点も同じです。この点は「高さ」はおろか「縦(奥行)」を知りません。
直線上を動くことができても「高さ」や「奥行」が違う二点の違いが分かりません。

4次元はどうやって考える?

ここまでは3次元までを考えてきました。では4次元はどうやって考えたらよいでしょうか?
3次元に加えて、もう一つ自由に動かせる数値が必要になります。
よくある4次元の考え方は空間に「時間」を加えて「時空間」として考えることが多いです。

空間上の点が時間に従って動く様子を考えてみると想像しやすいです。

この見方をすると「4次元って言いながら3次元上で考えることができるじゃん」と
思えるかもしれません。ですがこれは少し違くて、「1秒後にはこの点」「2秒後にはこの点」と
表しているだけです。4次元を完全に絵で表すのは難しいです。

ではここで、人間は何次元にいるでしょうか?
答えは3次元です。「あれ?でも4次元を見ることはできるんじゃない?」と言いたくなるのですが
厳密には人間は4次元を完全に扱うことはできません。

「完全に扱う」とはどういうことでしょうか?
3次元を完全に扱うとは、自由に3次元上の点を動かすことができる状態です。

例えば、平面上の点をある直線にぶつからずに超えることを考えてみます。
分かりづらいかもしれませんが、平面上に青い直線がずっと伸びていてそれを超えようとします。
これは3次元上であれば持ち上げて飛び越えることができます。

しかし、2次元上で考えると直線にぶつからずに反対側へ行くことはできません

これの4次元版を考えてみます。
ボールを置く→箱をかぶせる としたときに箱をとらずにボールをとれますか?
人間には無理です。ですが4次元を完全に扱えるのであれば以下のようにできます。

4次元を完全に扱うには、時間を自由に動かせる必要があります。
この意味で人間は4次元を完全には扱うことができないと言えます。
つまり人間は3次元までは理解できるものの4次元以上を本当の意味で理解することはできないのです。

まとめ

今回は「次元とは何か?」について解説しました。
なじみがあるものの詳しく分からない次元というもののイメージがつかめるように解説しました。

今回は次元に対して具体的な図形的イメージで解説しましたが
実際は次元というものは数の組でしかありません。

5次元、6次元と数学科は大きな次元を扱うことがあります。その際は何かの図形的なイメージは
もう出来ません。単なる5つの数値の組、6つの数値の組として扱います。

ただ4次元あたりまでは図形的イメージがでつかんだほうが良いと思います。
自分の次元よりも大きな次元は認知することができないという感覚がつかめると
人間が4次元を認知することが難しいことが何となくわかるかもしれません。

子どもから聞かれるかもしれない数学的な疑問についても今後も解説していけたらと思います。


当ブログでは算数が苦手だったのになぜだか大学の数学科専攻になった私
お子さんが算数や数学でつまずかないためのヒントを紹介しています。
「どう教えたらいいか分からない」そんな保護者の方の助けになればと思います。
ぜひ他の記事も参考にしてください!

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